ブラッディマリー
自分はさっきの万里亜のように、素直に感心するということが出来なかったから。性格の違いか、男と女の差なのかは、定かではないけれど。
彼女をほっとけない理由をまたひとつ見つけたようで、和は小さく笑った。
胸の中にある万里亜への感情が何なのか、和にもよく判らなかった。
にわかに恋と呼ぶには静寂が過ぎる気がして。だからと言って愛にしてしまうには生臭過ぎる、それは確か。
気持ちのない相手に抱かれるのは嫌だと言った万里亜。
死ぬことまで考えた万里亜の気持ちを考えると、必要なこととは言え毎晩コトに及ぶのは、素直に彼女を可愛いと思えるだけに気が引ける。
自分は男なのだから、どちらでも構わないのだが。
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