ブラッディマリー
3

変調

 


 そうして和は万里亜に血を与えることが増え、衝動を抑える為のセックスと交互に繰り返すようになった。


 万里亜を抱く時、和はせめて彼女の嫌がることはすまいと、表面上だけでも喜びを導くようにつとめる。胸に生まれた執着の意味には、蓋をして。





 そんな中、“HEAVEN”とマンションの行き来を繰り返すだけで、使い道のないバイト代が貯まる一方だった和は、休日万里亜を連れて街に出た。


 いつの間にか和のサイクルに合わせて、完全に夜型になっていた万里亜は少し眠そうにしていたが、何も言わず彼の後について来た。


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