ブラッディマリー
 


 それから、遠慮する万里亜に必要だからと何着も服を買い与えて、初めて外で二人で食事をした。


 端から見れば疑うことなくカップルなのだろうと思うと、少しくすぐったい気持ちになる。



 あの雨の夜以来、不気味な程音沙汰のない澄人の存在を思うと胸は騒ぐけれど。



 自分は万里亜との生活を心地よく思い始めていたし、情というものがあるのならこれがそうではないかと思うようになっていた。




.
< 84 / 381 >

この作品をシェア

pagetop