ブラッディマリー



 頭が真っ白になるその瞬間が近付いて、和は万里亜の目尻に滲んだ涙を口づけて拭った。


 こんな優しげな仕種も、しようと思ったことなどないのに。



 万里亜が小さく甘い悲鳴を上げて、その腰が小刻みに震え出す。



 もう何も考えられず、和は万里亜の頭を胸に抱いて彼女の後を追った。









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