ブラッディマリー

欠乏

 


 和は翌日万里亜とホームセンターへ行き、必要なものを揃えてそのまま“HEAVEN”へ向かった。


 和がいつも通り店内のチェックと簡単な清掃をしていると、手伝っていた万里亜は青い顔をして、ロッカーの中に押し込んだ荷物を探り始めた。



「おい、どうした?」



 和が声をかけると、万里亜はびくりと身体を震わせる。


 そのまま動きを止めた万里亜は、何やら胸元に隠して一言、答えた。



「……お腹痛くて……」



 振り返った万里亜の顔が、青白い。


 和はさっそく今日買ったものが役に立つのだろうかと小さく笑い、万里亜に背を向ける。



「昨夜ハラ出して寝たんじゃないのか」


「そんなんじゃ……」


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