センパイ・・・。
タイトル未編集
あぁ 緊張する・・・。
鏡越しに見える外の景色を見て、あと1時間先の出社の事を考えている。
彼女の名前は、美智子。
ごくごくありふれた普通の女性と似ている、とよく言われ
『えー、やめてよぉ! そんなんじゃないよぉ』
と軽く合コンでイジられるやり取りに憧れを抱く女性だ。
新しいニオイのする、スーツを着て何度も持ち物の確認をしていた。
そして、妄想も少々。
『もし、センパイが私のチョー好みで「カワイイね、食べちゃってもイイかな。」なんて言われたらどーしよー キャー☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ってもう時間じゃん!10行前にあと1時間だったでしょ!』
時がたつのは早いものですね。
乗り慣れない電車に乗り、会社の前に着き足を止め、見上げると、高層ビルの半分にも及ばないビルが、大きくみえた。
深く深呼吸をすると、自分でも分かるくらい高鳴る胸を、二度叩いて足を踏み出した。
『ついに、来た。来てしまった。』
ドアの前で、一人つぶやく。
『えいっ!』
こころの中で叫び、ドアを開けた。

比較的、慌ただしい社内を見て誰か話しかけてくれないかと待っていた。
『あっあの、あの!』
1人優しそうな中年男性が気づき、こちらに一回微笑むとみんなに呼びかけた。
『おーい!!みんな準備しろー!』
ざわざわと人が動き、決まっていたのであろう場所についた。
< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop