きせき【編集の為一部のみ公開とさせて頂きます】
◆プロローグ
――……
―――……
『ワァァーーーッ!!』
たくさんの人々が行き交う駅前の雑踏の中、懐かしく耳に響くその歓声に思わず足を止めた。
その歓声に、私の視界に映る休日を楽しむ家族連れが、高校生が。
さっきまでしきりに腕時計を気にしていた休日出勤のサラリーマンでさえも、振り返ってその視線を上げる。
――見ちゃダメだ。
そう思う心とは裏腹に……。
立ち止まったままの私は、まるで周りのそれに促されるように、ゆっくりとその大きなスクリーンを見上げた。
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