一途になれたら
ピンポーン ピンポーン
「はーい、どちら様でしょうか?」
「あ、隣に引っ越してきた福村と申します」
「あ、はい。少々お待ちください」
あーもうー。やっと休めると思ったのに…
ガチャッ
「お待たせしました。」
ん?どっかで見たことある顔...
「こんにちは、と言うか久しぶりか?」
隼人?!何でここに居るの?
何故彼が?
「会いに来てやったぜ、俺の涼」
なに!全然笑えない。何で今更現れるの?
「何か用事でも?」
「何だよその嬉しくなさそうな態度は!この俺様が迎えに来たっていうのに。」
迎え?笑わせないでよ。勝手に居なくなって今更迎えにくるなんてどう言う神経してるの?
「私もう隼人のこと何とも思ってない。」
「嘘つけ。本当は俺のことで頭が一杯だろう?」
「あのね。私には大好きな旦那さんと子供が居るの。」
「またまた強がる。変わってないよね、そういうところ。」
もう我慢の限界!
「これ」
そう言って玄関に飾ってある家族写真を指差した。
「は?冗談は無しだろ!何で結婚してんだよ!意味わかんねぇ!」
そう言って隼人は出て行った。