きゅんきゅん男子~年下彼氏を溺愛中~【完】
氷の微笑の裏の顔
「あのさ。もういい加減、帰ってもらえるかな?」
昼休みに赴いた、数学教師用の指導室。
イスの背にもたれ、ふーっと白い煙を吐き出す碓氷先生が、彫刻のように白く綺麗な顔を歪める。
まっすぐに、射るようにあたしを見つめる、こげ茶色の瞳。
その瞳が、更に苛立たしげに煌いて……。
「用事は、もう済んだだろ?」
そんな言葉を吐きながら、碓氷先生は、タバコを持っていない方の手で、キュキュッとネクタイを緩めた。