初恋は…お医者さんだったはずなのに。

『なんだよっ!』

つい怒鳴ってしまった。

だが北俣は、至って冷静だった…

北「あなた、あの日の夜。私のこと誘いましたよね…私もあなたが好きだったので、すんなり受け止めました…だけど……結葵…結葵って…」

北俣が涙ながらに俺に訴える…

俺…結葵のこと…やっぱり愛していたんだ。そんなにも深く、俺の中に結葵は残っていたんだな…


『すまなかった…』


俺はひざまずき、静かに土下座した。

北「認めるのですね。もう私は、あなたに会うことはなく、静かに死んでいきます。さようなら。」


そう言うと、階段をコツコツという音を立てながら、下りていった。
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