白百合の姫

私のことか?

「てめえ、いつまで無視すんだよ。」

ウザイ…

そう言われて右隣の奴を睨みつつ見上げると

「お前、こんな大勢の目の前でこの俺様を睨むとは
いい度胸だな。」

こいつ…笑いながら怒るのか。

器用な奴だな。

「……お前こそ、ニタニタ笑ってキモいぞ。」

「ほぅ。これはこれは。
貧乏の地の姫さんは語学まで貧乏なのか。」

あぁ?

「これはニタニタ笑っているのではなく

愛想笑いと言うんだ。」

そこかよ…

つか、ウザイ。

「…。」

「また無視か、

まぁいい。これからは夫婦だ。
仲良くしようじゃないか。」

キモい、ウザイ。

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