HONEY★HONEY☆LOVER
しかし終わりはしなかった
「東吾、すごいねっ!」
「え?」
彼女が僕が今読んでいる本を
指差した。
「これか?」
「うん、すごい分厚くない?」
別にそれ程じゃない
「東吾もさ、無理してるところ ない?」
「この本そこまで分厚くないが」
「本じゃなくて!
日常的に大人っぽいじゃんっ」
大人?
「そんなことない」
「海と同じこと言うなぁ」
「海?」
「さっき海にも疲れないの?って聞いたらそんなことないよって。」
「海が疲れる?」
「いっつも笑顔だから。
無理してるのかなって思った」
彼女は人の気付かないところを 気付く。
僕が大人……か。