HONEY★HONEY☆LOVER
東吾も電話から戻ってきていた。
「悪いな、蓮。帰らなくちゃいけないようだ」
「とーごまでっ!?ひかりんが危ないよっ」
絶望という言葉がよく似合う表情をする海
「ほら、帰るぞ。海」
「下までおくるよっ」
「あぁ」
「ありがとう、迎えの車がそろそろ来るだろ」
海は最後の最後まで叫んでいた
大声で叫ぶようなことじゃねぇだろうが
押し倒すな、って言われてもな
無理なもんは無理だし
「蓮っ?どうしたの?」
何も知らないこいつは普通に俺を覗き込む。
「…別に」
「部屋に戻ろうよ」
無言でそれに答える。
しかし部屋に着いた途端、様子がおかしくなった。
「おい、これか……」
「蓮…行きたいところがあるの」
またあの時のような
か細い声。