HONEY★HONEY☆LOVER
空を見上げ不安になる。
「…さっきまで晴れてたのに」
これは早くホテルに帰った方がいいかも……
分厚くなった灰色の雲を見て、元来た道を戻ろうとしたけど
「どの道だっけ……?」
たくさんに分かれた道
どれがどれだかわからなかった
小さな恐怖があたしの中に生まれる。
「とにかく……歩かなきゃ…」
立ち止まってても何もならない
それなら歩き続けなきゃ
仕方なくもう一度前をむく
どこにたどりつくかわからない道
……あの時戻っとけばよかった…
だんだんと足元も鬱蒼とした草むらになってきて鋭い草が足を傷つける。
そう、その時だった。
「きゃぁっ!」
いきなり足元がなくなったかと思ったら、頭に鈍い痛みが走り、あたしは意識を手放した。