HONEY★HONEY☆LOVER
東吾がその呼び方に顔をしかめた
「中村さん…、やめてくれないか、その呼び方」
「細かいことは気にしなくていいから。あとはやく返してよ、姫」
……………は?
「……姫?」
「そうだよ、ひ・か・りっ!独占したいのはわかるけど…あたしもしゃべりた…」
あいつの名前を聞いた途端俺達は固まる。
「中村さん、光と一緒じゃなかったのか……?」
「え?そうだけど。氷野くん達一緒じゃなかったの?」
状況を把握できないのか不思議そうな顔をされた。
さあっと血の気がひく。
「………あいつ……っ」
ばっ、と外に視線を移した。
強い風が吹き乱れ、雨が激しく地面を打ち付けている。