HONEY★HONEY☆LOVER



「アメリカなら私が行きます」


急に焦りが籠もった声。



「あの人をアメリカに行かせる訳には……。」



………なんだ?



「副社長、社長はビジネスとしてアメリカに行きます。私事ではありません。」

「………っ。わかったわ。」


ばばぁの最大の弱点が、親父。




俺にとってこの女が弱さの塊であるのと一緒でこの女にとって俺はトラウマの塊なんだ。



激しい狼狽えを隠すようにばばぁは背を向け、秘書に命じる。


「今日のことを説明してあげて」

「はい、蓮様。こちらへ。」



俺は無言で秘書についていく。



副社長室を出た後も沈黙が続いた



「蓮様、」


そしていきなり秘書が口を開いた



「どうして副社長があんなに狼狽えたかわかりますか?」

「…………」

「何も…聞いてないのですか」

「これが終わったら聞く。」



グループについて学びおわったら必ず全てを聞く。


「……俺なりのけじめだ」


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