HONEY★HONEY☆LOVER
震える手で蓮の番号をうつ。
「…………っ。」
発信音が五回ほど鳴った時だった
『……東吾?どうした』
「!」
蓮だ…。
だけど臆病なあたしの口は言葉を発しようとしない。
『東吾?なに黙ってんだよ』
「……………」
『切るからな?』
「…………っ!やだ…っ」
思わず声をだしてしまった。
長い沈黙のあと、蓮が口を開く。
『………………光?』
「…………うん。」
『これ…東吾の携帯じゃねぇの』
「…あたしの携帯じゃ……繋がらないから。」
『国際携帯じゃ…なかったよな』
珍しく蓮もぎこちない。
『で、何の用?』
冷たい言葉。
かける時から覚悟はしてたけど、………やっぱりきついな……
『ひか………』
「あたしが…あたしが好きなのは蓮だからねっ!」
『!』
「初めて好きになったからなんて言ったらいいのかわかんないけど…っ!あたしが一番好きなのは蓮だよっ」
『…光』
「もし、もし……っ蓮があたしのところじゃないとこに帰ると思うと……っ」
顔が涙でぐちゃぐちゃ。
東吾に借りた携帯だって濡れちゃった。