HONEY★HONEY☆LOVER
部屋が一気に静かになった。
蓮は固まったようにずっと見ていた。
ね?見て、蓮。
そっくりだよね
さらさらの髪の毛に意志の強い目そして片耳のピアス。
「れ……ん……」
蓮のお母さんも涙が止まらない。
でもはっ、としお義母さんにぺこりとお辞儀をしていた。
「お…久しぶりです…副社長…」
「玲花さ……なんで…」
さっきまでの威圧感など全くなくなってお義母さんはただただ呆然としていた。
「僕達が連れてきたんだよっ」
「ご無沙汰しております、」
玲花さんの後ろから東吾と海が顔をだした。
「東吾…海…」
「れーんっ!会いたかったよー」
「久しぶりだな、蓮。」
海が蓮に飛び付き、東吾が蓮の肩に手を置く。
あぁ、久しぶりの光景だ。
海がきゃっきゃっ騒いでて
東吾がそれをたしなめてて
そしてその真ん中に
欝陶しそうだけど嬉しそうな蓮がいるんだ
もう見れない、って思ってた。
もう会えない、って思ってた。
だけど今あたしの目の前に
あたしの大好きなその空間が広がってる。
あたしはもう一度お義母さんをじっと見つめた。
この人だけは許しちゃいけないんだ。