HONEY★HONEY☆LOVER
「………親父…、」
「将彦さん!」
静かにドアから入ってきた蓮のお父さん。
「私が手伝ったんだ」
「は?」
蓮も理解できないらしく顔をしかめていた。
「アメリカの本社に行ったとき、ロビーに彼らがいてね話を聞いたんだよ」
「まさ…ひこ…さんが」
お義母さんは力が抜けたように、椅子にもたれかかった。
「玲花のことは私が一番悪い…、だからせめてもの罪償いだ。」
そしてお父さんは深々とあたし達、玲花さん………お義母さんに頭を下げた。
「将彦さん……」
お義母さんの目にも涙が浮かぶ。
「ね?蓮パパも謝ったんだしっ!蓮ママ達も仲直り!」
にこっと海は笑い玲花さん達の手を繋がせた。
そしてくるりとこっちを向く。
「ひかりん、東吾!蓮の部屋に行くよー!」
「え?」
「は?」
あたしと蓮が同じタイミングで海を見る。
「そうだな、行くぞ。光」
「えっ、ちょっ、まっ!」
蓮の光っ、という声も虚しくあたしは廊下に出された。
「今の状況であの四人って気まずくなっちゃうよ!」
「僕らはきっかけを作った。それをどうするかは蓮達が決めなきゃ。だから僕らが入っていいのはここまでだよ?」
「これからは俺達が意見していい場所じゃないからな。また殴られても困るしな。」
東吾がじとーっとあたしを見る。
「なんで…知ってるの?」
「蓮に教えてもらったんだよ」
あ、そうですか…
「それにだいじょーぶだよ、きっと!」
「え?」
「蓮偽ママの表情が人間っぽかったもん!」
「蓮偽ママって…」
海が悪戯っぽく舌をだす。
「前は金属ばばぁ、って思ったけど今ならちゃんと蓮偽ママって呼べる気がする!」
あたしと東吾は同時に血の気が引いた。
「それ、ぜっっっったい呼んじゃダメだよっ!?」
「えー、蓮偽ママの方?金属ばばぁの方?」
「「どっちも!!」」
あたし達の悲痛な叫びが廊下に、ただ響いた。