HONEY★HONEY☆LOVER
食堂はとても広くて、だいたいの生徒は食べおわっていた。
「はいあそこでご飯受け取って」
「はい!」
「お箸はそこでとって!」
「はい!」
「で、席ついて食べ始める」
咲季がなんか恐く感じるのは気のせいでしょうか……
冷や汗を流していると背中に大きな衝撃が。
「ひっかりーん!おはよーっ」
後ろから何かに抱きつかれる。
「きゃっ!」
「おはよ?」
くりっとした目であたしを見上げる男の子。
「海く……」
「くん、つけなくていいよーっ!う・み・!」
ほっぺたをぷくっ、と膨らましてあたしの唇に人差し指を当てる。
「う……うみ」
それに負けたようにあたしは小さな声で呼んだ。
「うんっ」
にっこり笑う海は女の子よりはるかに可愛い。
…………………詐欺だ!