小さな恋のユメ
「いらっしゃいませーってひかりに唯」
紗代は入り口の近くの
テーブルを拭いていて
レジの方を見ると
真人が営業スマイルで接客していた
「ほらレジ行くよ」
と紗代に連れてかれ
「ほら行ってこい」
と唯には背中を押され
「岡沢ーほらひかり」
レジはたまたまお客さんが居なく
真人は少し暇そうにしていた
「あっどうも~」
とあたしは頭を下げると
「どーもー」
真人も頭を下げてきた
そしてお約束沈黙
電話では話せたのに
会話が出てこない
真人も黙ってるし
「…ご注文おきまりですか?」
ご注文なんて決めらんないよ
今忙しいの
頭の中いっぱいいっぱいなの
…ごっご注文?
あたしは慌てて
「ビックマックセットにコーラで」
いかにも女の子らしくないのを
頼んでしまった