ご主人と使用人
ご主人
「あはっ、すごーい!サイズいくつ?」
「……Gカップデス……」
食事が終わるなり私の部屋に来た凛々は、胸をたゆんたゆんしはじめた。
持ち上げてみたり、寄せてみたり、もう10分はこうしてる。
……よく飽きないな。
「ブラウスのボタンが飛んだ時は言ってね。私がつけてあげるから!」
なんて無邪気に笑う。
「う、うん……」
仲良くなれそう……もう仲良いのかな?
ちょっと変わった子だけど、接しやすい子でよかった。
「あっ、そういえば…
私、明様のお世話係にされちゃったんだけど、なにすればいいのかな?」
「えっ、明様の!?」
凛々は胸を触る手を止めて、目をキラキラさせた。
「う、うん……。
明様本人からそう言われたんだけど……
え?凛々はお世話しないの?」
「私だけじゃなく、他のメイドさんたちもしないよー」
「でも、求人のポスターに"世話係"みたいなこと書いてなかったっけ……?」
「あれはね、
明様たちに気に入られる人がいなかったから、新しく募集したんだよ」
どういうことだ?
いまいちここのシステムがわからないんだけど、
いくら広ーいお屋敷だからって、あんなに使用人はいらないんじゃないか、と。
他のメイドさんたちはお世話しないんなら、なにをしているのかと疑問に思った。
庭師にコックに守衛に運転手……それに執事。
それぞれの役割があるのに、世話係じゃなかったら一日中掃除でもしてろっていうの?