ゆめ。
―――放課後。
パチンっ パチンっ
2人きりの教室にホッチキスの音が響く。
「ねぇ、竜司?」
「何?」
「竜司って、彼氏…じゃなかった、彼女いるの?」
「彼氏はいないよ。」
「当たり前でしょ、彼女、だよ!」
竜司の動きが止まった。
「…………いる。地元に。」
――――――――え??
よく分からない感情が、私の中に駆け巡る。
何?何?
「へ、へぇーいるんだ、すっごいね竜司!どんな子?可愛い?写真見してよ!」
声が震えた。
「あぁ、宍戸葉瑠って言うんだ。可愛いよ。」
微笑みながら言う竜司。
葉瑠ちゃんを思い出してるの?
優しい、笑顔。
こんな竜司の顔見たことない。
―――――…嫌。
え、嫌??
私、いま嫌って思った?
別に、関係ないじゃない
竜司に彼女がいたって関係ないんだから………