ゆめ。

―――放課後。

パチンっ パチンっ

2人きりの教室にホッチキスの音が響く。


「ねぇ、竜司?」

「何?」

「竜司って、彼氏…じゃなかった、彼女いるの?」

「彼氏はいないよ。」

「当たり前でしょ、彼女、だよ!」



竜司の動きが止まった。

「…………いる。地元に。」


――――――――え??



よく分からない感情が、私の中に駆け巡る。

何?何?


「へ、へぇーいるんだ、すっごいね竜司!どんな子?可愛い?写真見してよ!」

声が震えた。



「あぁ、宍戸葉瑠って言うんだ。可愛いよ。」


微笑みながら言う竜司。

葉瑠ちゃんを思い出してるの?

優しい、笑顔。

こんな竜司の顔見たことない。


―――――…嫌。

え、嫌??

私、いま嫌って思った?

別に、関係ないじゃない
竜司に彼女がいたって関係ないんだから………
< 34 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop