明日への橋を架けろ!
冬蜂

夜遅く仕事から帰ってきて
家の鍵を開けようとした瞬間、

痛っ!!
右手の人差し指に
電流が貫くような痛みが走った

見ると
2センチくらいの蜂が
必死に羽をばたつかせながら
俺の指先目掛けて
何度も針を突き刺していた

俺は無我夢中で
指についた奴を振り払い
地面に叩き付けられたそいつを
思いっ切り足で踏み潰した
小さな足を震わせている冬蜂を見ながら思った
お前は何を守るために向かってきたのだ
俺なんか倒す価値もない者なのに

きっと理由なんかないのだろう
生き物は闘うようにできている
それだけのことなのだ
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