シュールな悪魔に愛を
楓は洋書を抱えてベッドに腰掛けた。

あたしが死んだところで何も変わらない。
パパとママは悲しむかな、お姉ちゃんも少しは寂しいと思ってくれるよね。
友達かぁ。教室でおしゃべりする友達はいるけど、親友ってカンジの子はいない。放課後はひとりだし、彼氏なんていないし。あたしが死んでも、すぐに忘れ去られちゃうんだろうな…きっと。

「そんなに悲観的にならずとも良い。私は何も…そなたに取り憑こうと思って現れたわけじゃない。
そなたが私を呼び寄せ目覚めさせたのだ、覚えていないのか?」

楓はルシファーの朱い瞳を見つめ首を傾げる。

「…まあ、良い。別にどうでもいい事だ。」



< 13 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop