シュールな悪魔に愛を
ルシファーは何か言いたげに楓を見つめていたが、スッと視線をそらし宙に浮いた身体を床に降ろした。
「…何があったにせよ、封印は解かれた。1000年の時を経て私は自由の身になったのだ。」

「そして、また暴れるんだね。あなたは世界に恐怖と破壊をもたらすんだもの…」
楓は洋書の表紙に書かれた緋色の飾り文字を指でなぞった。

「そなたが望むのであれば、たやすい事だ。」
ルシファーは冷酷な朱い目を光らせ、まるで、心の奥を見透かしているかのようにニヤリと笑う。

「あたしが?…なんで、あたしがそんな事を望むのよ。
べつに、世界平和の為に身を捧げようとは思ってないけど、誰かが不幸になることを望んでもいないから。」
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