シュールな悪魔に愛を

「だって…ヤケっぱち。どうせ死んじゃうんだから、言いたいこと言ってもいいでしょ？
それと、あたしの名前は楓【かえで】。乙女じゃなくって、かえでの葉っぱの楓だから。秋になると赤く色づく【もみじ】のことだよ、11月生まれなの。」

楓は笑う。不思議なことに、ルシファーに対しての恐怖心が薄れていくのだ。

「そうか、楓か…そなたに1つ言っておこう。
私には強大な魔力がある。しかし、今は自ら魔力を封印するつもりだ。
感じるのだ、清教徒の名の下で我を書物に封印した信者の子孫達が動き出している。その者達には、私の魔力を察知する能力があるのだ。見つかると何かと煩わしい。
せっかく自由になれた身、しばらくこの世で過ごすのも面白そうだと思ってな。」