シュールな悪魔に愛を
「本だって?…ウチのじゃ無いね。ワシゃ骨董品しか興味が無い。おい、お前んトコのじゃねぇのか?」
初老の男は、将棋相手の若い男に聞く。

「俺んトコは古着だぜ、本なんて知らないよ。誰か捨ててったんじゃねぇの?ゴミは所定の場所に捨てましょうって…はい、大手!」

「へっ?あっ…ちと、それ待った。」
慌てて将棋盤をみた初老の男は、若い男にむかって片手をあげて制する。

「はははっ、駄目、駄目、待った無しだから。」


ここの店番達は、商売気がないのか楓を客と見なしてないのか。
2人ともチラリと楓を見ただけで、将棋を中断することなくまた勝負に没頭してしまった。
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