シュールな悪魔に愛を
楓はルシファーの頭のてっぺんから足の先まで、しげしげと見た。
幽霊じゃないから、足はちゃんとついている。腕が長くて耳は尖っていて人間に近い外見。
絵本で見る悪魔と大差ない感じだけど、ルシファーはあんな大袈裟に邪悪な顔をしていない。

「ずいぶん長い間封印されていたから、反省しちゃった?もしかして改心したとか。
あんまり悪い悪魔に見えないけどな…」

「反省?何で反省するのだ。おかしな事を言うな、楓は。
私は、ほんの少しそそのかしただけで、手を下してなどいない。
愚かな人間どもが自分の意志で行ったのではないか。結局は自己の弱さが罪を犯したのだ、イブもユダも。」



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