隣の秀才君
さて…どうしよう。
どうやってこの状況を打開するべきか…。
間近にある地面を睨み付けていたら、突然ぬっと腕が伸びてきた。
「お前はいつまで寝てるつもりだ。この俺が手を貸してやってるのだからさっさと起きろ」
「…どーも」
好意でやってるんだろうけど余計なことを…!
お陰で群がる女子がどよめき出した。あー視線痛い。
ちらっと加代子を見ると未だに桜庭先輩とぴったりくっついちゃってる。私に視線が集まってるからって…イケメンなら誰でもいいのかよ!
でもこれは逃げ出すチャンスかも知れない。あの女が先輩に惚けてる間にさっさと帰れば私の学園生活にはまだ希望がある!
「この子と君は知り合いなのか?速水君」
早速逃げてしまおうと速水に背を向けた時だった。
何てこと。