十五の詩
「ユニス、人と話すの苦手?」
「…複雑な話はどう話していいのかわからない時があります」
「あは、そうだね。あとユニスの場合は負っている事情が大き過ぎてユニス自身がのびのび振る舞えていない感じがする」
「そう…ですね。──だと思います」
「デートしようか」
「え?」
「ふふ。嘘。薬を買いに出ている途中だったんだよね。一緒について行くよ。顔色は良くなったけど魔力がまだ不安定みたいだし」
「すみません」
「気にしないで」
「あなたはいい癒し手を持っていますね」
ユニスに何気なくそう言われてイレーネは驚く。
「うん。白魔法の腕はかなりいいと言われる。自分ではわからないけど、人から見るとわかるようなものなの?」
「わかります。あなたの気にふれていると気分が良くなります」
「──。それなら良かった」
先に立ち上がったユニスにすっと手を差し出されてイレーネは「ありがとう」と手をとる。
「紳士だね」
ユニスは自然なことのように微笑んだ。
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