遠恋~君と恋をした日々~
桜庭の売れいそうな顔を見ても、胸が痛んだ


あたし、どうすればいいのかな?


桜庭の顔を見るだけで、名前を呼ばれるだけでこんなに胸がきゅぅってなる


この苦しみは、悠一への苦しみとは違う


「桜庭、あたし今日も言えなかった・・・別れてって」
「そっか、焦る必要ないよ。俺はずっと藤原を好きでいるから」
「ありがとう。あたしも大好きだよ」


にっこり微笑んで、桜庭の顔を見た


桜庭も微笑んでいて、そのあと住宅地の公園へ行った


「うわぁ、懐かしいなぁ」
「桜庭、卒業後すぐに引っ越したもんね」
「あの日は大変だったわぁ・・・ほんとはさ、卒業の日に悠一が藤原に告白しようとしてたんだ」


悠一があたしに?


「でも、俺も好きだったしさ・・藤原悠一と仲良かっただろ?だからくっついちまうんじゃないかって不安になってさ、つい言っちゃったんだ」


“おれも藤原が好きなんだ!俺たち友達だろ?藤原に告白しないでくれ!”


桜庭が言った言葉に耳を疑った









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