遠恋~君と恋をした日々~
「最低だろ?“お前は中学生になっても逢えるじゃないか”って」


最低だろっていう言葉を否定するためにめいいっぱい首を振った


そしたら、桜庭の手があたしの頭に乗ってポンポンとなでた


その手に自分の手を重ねて、言葉をつづった


「あたしね、ずっと後悔しいてた。何であの時告白しなかったんだろうって。でも告白しなかったのは、こうしてまた、桜庭と恋をするため。桜庭と出会うためだったんだって今は思うの。気持ち悪いでしょ?」



へへっと笑って、桜庭の手を話した


「そんなことないよ。藤原は昔から素直だったよな。嘘をつかなくて、純情で。天使みたいにほわほわしてて、男子に人気があったんだぞ?」



あの時は焦ったぁ~と言って、悔しい顔をした桜庭の顔に笑ってしまった


「ふふ・・っふふふっ」
「何笑ってんだよ」
「なんか、あたし幸せだなぁって」


こんな状況なのに、桜庭に会えただけで、名前を呼ばれただけでなでられただけで、こんなにも幸せな気持ちになる


「あたし、強くなるからね。桜庭と一緒だったら大丈夫な気がする」
「辛くなったら、俺に言ってな?」
「うん。必ず守るね。桜庭もだからね?」
「あぁ、約束する」



指切りゲンマンをして、桜庭とまた駅に戻った


「じゃーな」





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