遠恋~君と恋をした日々~
「あーぁ、こんな傷だらけになって。痛そー・・・」
「いてっ!もっと優しくはってくれぇ」


ずっと見ていたあたしの目の前で、ボールを取ろうとした桜庭がすっ転んだ


見てて痛かったぁ・・・あたしまで痛かったよ


練習が終わって、桜庭が傷だらけであたしの元へ走ってきた


そして今、手当をしてたってわけで・・・


「本当に大丈夫?」
「ん?あ、へ―きへ―き。いつものことだしな」
「先輩は、毎日こんな擦り傷ばっかり作るんすよねぇ」


桜庭と2人きりだと思ってたけど、辰樹君も一緒に来た


「てか辰樹なんでいんだよ!」
「えーいいじゃないですかぁ、先輩のケチ!」


2人のやり取りは見てて飽きない


「くっ・・・ふふふっ」
「あー何笑ってんだよ!」
「だぁって、ふふっ面白いんだもん」


さっきまで、あんなに悲しかったのに、今はすごく楽しいよ


桜庭に会いに行ってよかった。


あの時の選択は、間違っていなかったんだ


あたしの選択が、初めて当たった









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