遠恋~君と恋をした日々~
あの後、辰樹君は反対方向の電車に乗っていった


最後まで一緒に居た達樹君


辰樹君はずっと笑っていた。でもその瞳の奥に、うっすらと止みがかかっていたような気がした


その瞳と向きあったあの時、ゾクッとした


「どこいきたい?」
「ん?どこでもいいよ」
「じゃー俺んちでも来る?」


色んな事を考えていたあたしの頭には、桜庭の声があまり入ってこなかった


けど、今の言葉をはっきり思い出せる


「・・・桜庭の家?」
「おぅ!」


こんな早くに桜庭の家いくの!?


「じゃー行こうぜ」


桜庭はあたしの手を握って家へと歩き始めた


「・・・まっ、待って!」
「何だよ」


なんだよって・・・あたしにだって・・・


「心の準備が・・・」








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