遠恋~君と恋をした日々~
それで泣きじゃくってしまったあたしに、あの人はこ―言ったんだ


『そんな泣かなくても大丈夫だよ。来年また来て作ればいいだろ?パパが作ってやるからもう泣くな』


他のパパたちよりも優しかった


優しかったのに、どうしてこうなっちゃったの?



夢を見ていたんだ。小さい時の夢


教会で楽しく遊んでる、本当に小さな約束を今でも信じてる



「・・・あれ、あたしどうしたんだっけ・・・いたっ!」


ベットから上半身を起こして周りを見渡した


あれここぉ、あたしの部屋?


あの時あたし、殴られてそしてそうだ!お兄ちゃんが帰ってきたんだ


「・・・んん」


ん?なんか動いた


視線を少し下にすると、ベッドに寄り掛かって眠ってるお兄ちゃんの姿


ずっとあたしの隣に居てくれたんだ


にしても・・・寒そうだなぁ


ベッドの横にある、ひざかけを手に取ってお兄ちゃんにかぶせた


「・・・ありがとね、いつも守ってくれて」


辛いけど、いたいけどお兄ちゃんが守ってくれるから







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