遠恋~君と恋をした日々~
「彼女ね、好きな人を見にきたんだってぇ」
「そっそうなんだ?」


なんか、ほのかに顔赤くない?


でもこの時、そんな疑問だけでそれ以上になにかあることなんか気にしてなかった


この時あたしは、ただ不安になりたくなかったんだと思う


だから、あえて言わなかった。“好きな人は凪なんでしょ?”って


だって、友香ちゃんが愛おしそうに目で追ってたのは、“凪”だったんだから


ちゃんと、この目で見てしまった


洸君じゃない、凪だった


「可愛いよね、友香ちゃんって」
「そーか?」


なんでさっきから、目を合わせないの?


「うん、可愛いよ。あたしよりは・・・」
「・・・咲希?」
「あっ、何でもないよ!」


自分から話し始めたのに、嫌になった


だって、彼女の話をすれば凪が彼女のことを考えることになる


そんなの嫌だった。あたしって、嫉妬深いのかもしれないね


全然、いい彼女なんかじゃないよね


凪に迷惑かけてしまいそうだ・・・


「咲希!凪君!ここでいい?」


莉那が指差してるのはカフェだった










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