遠恋~君と恋をした日々~
「お友達来るの何時?」
「9時だけど・・・」
「じゃー大丈夫ね、まだ時間がいっぱいあるわ」


・・・時間はあるけど、あたしそんなことしてる場合じゃないんだけど


「さっ、行くわよ!」
「ちょっ!ちょっとぉ!」
「見てなさい!絶対美人にして見せるわ!」


美人にしなくていいよぉ~


別に美人になんかなりたくないし!


「って!話聞いてよ!」
「咲希はもったいないのよ!あんたは原石なのよ!いつでも宝石になれるのよ!」


宝石って・・・あたしが!?


「あたしなんて、原石でも宝石でもないよ」


原石なら・・・舞子じゃな


「恋する乙女はかわいいのよ」
「それなら舞子だって同じでしょ?」


恋する乙女はかわいいなんて、だれが作ったんだか


「本当は自分かわいいって思ってるんでしょ?」
「なっ!思ってるわけないでしょ!?」


ナルシストなんかならないよ!


一度もかわいいなんて思ったことない


親にDVを受けてるあたしなんか誰がかわいいなんて思うのよ


一生愛する人とセックスなんかできないこの体で














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