遠恋~君と恋をした日々~
「園長先生ただいま」
「お帰り!あら?お友達?」
「うん!悪いんだけど、なにかジュースもって来てくれない?」


あたしのお願いに笑顔でうなずいた


園長先生はすごく優しい


園長先生がいなかったら、今でもあたしは居場所を探しているだろう


どこにも受け入れてもらえず、暗闇に沈んでいただろう


本当ん本当に園長先生には感謝してるんだ


なにもかも園長先生一人じゃ大変なのに、


こんなに子供たちもいっぱいいるのに、泣きごと一つ言わないでいつも笑ってる


怒ったり、泣いたり、落ち込んだりしてる園長先生をあたしは見たことがない


今でも不思議に思うのは、こんなに可愛くて和む園長先生には・・・


どうして夫がいないのかってことだ


・・・いや、いないんじゃなくて、いたのかもしれない


どんな理由でどんなことがあったのかなんて知らない、


知らなくていい、でも園長先生の過去が知りたいとたまに思う


あたしは結局自分のことしか考えてない人なんだよね


だって、誰にだって聞かれたくないことの一つや二つあるだろう


なのに、無理やり聞きだそうといつもしてしまう


気になったらとことん話しこむ


こんな性格だから、みんなから嫌われ、憎まれてきたんだろう













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