遠恋~君と恋をした日々~
少しだけ、嫌いだった麗子さんを好きになった


莉那からは、城の大きいリボンがついたカバンをもらった


凪からは、おそろいのシルバーリングをもらった


嬉しすぎて、一人で号泣していた


先生がいなくなって半年


今あたしは、楽しく過ごしています


先生のお葬式に行った日、初めて先生の奥さんと子供2人を見た


お姉ちゃんのほうは6歳ぐらいだろうか


妹のほうは3歳ぐらいで、まだまだ小さかった


奥さんだってすごく若かった


こんな早くに夫をなくすのは悲しいよねと莉那と話していた


莉那とあたしの眼にはうっすら涙が出ていた


でも、ちゃんと最後まで先生を見送った


“あたしはもう大丈夫だから、先生も安らかに眠ってください”


すべての思いを込めるように、あたしは最後だけ涙を流した


まわりでは生徒がみんな号泣していた


号泣していないのは、ごく一部で


あたしは一人で納得していた


号泣していない人には先生が来たんだと


だから、泣いてないんだと思った











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