遠恋~君と恋をした日々~
「どこから話そうかな」


まずはぁ・・・


「小学3年生の時、あたしが桜庭と初めて喋った時にね、名前を聞いただけで胸がキューって苦しくなったの」


あの時の苦しさを今でも思い出す


あの人に叩かれた時のいたみでもなく、心の罪悪感のいたみでもない


優しい痛みだった


「そのあとしゃべっていくうちに、あ――あたし彼が好きだなぁって思うようになったの」


それまで、恋なんか知らなかった


まわりの子が、○○かっこいいとかあの人イケメンっとか言ってるのを聞いて焦っていた


「焦るうちにミスも増えてきて、あたし一回まわりが見えなくなって階段から落ちそうになったんだぁ」


あの時、本当にびっくりした


「桜庭が腕をつかんでくれなかったら、あたし今頃どうなってたんだろうって今でも考える」













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