遠恋~君と恋をした日々~
「あらっ、咲希ちゃん」
「こんにちは、恵理子さん」


先生の家に行くたんびに、恵理子さんとお子さん2人と仲良くなっていった


「今日は、卒業式だったんです」


先生の仏壇の前に座って恵理子さんと話していた


「そう、夫も出たかったはずよね。あたしね、まだ中学の校長を許せないの」


そうだよね。許せないよね


「あっさり許したら、本当の愛じゃないですよね」


あたしはもし、凪が殺されたら、殺した相手を許せるかな


・・・無理だよね


絶対に許さない、もしかしたら頭がおかしくなってあたしが殺すかもしれない


そして、自分も自殺するかもしれない


「何度も何度も、自殺しようとした。でもこの子たちの顔を見ると“何であたしはこの子たちを置いていこうとしたんだろう”って思うの」


かけがえのない、最後の先生とのつながりだもんね


「いいですね。先生は愛されてたんですね。恵理子さんに。いつも言ってました、俺は幸せ者なんだ。だから、お前にも幸せになってもらいたいって」


先生の言葉、今思い出せばどれも重要なことだった


あの時ちゃんと聞いとけよかったって今更後悔しても遅いよね


「先生に一度、あたしぶたれたことあるんです。あの時の痛み、今でも覚えています。こういう時、悪いことばかりが頭に浮かぶんですよね」
















< 404 / 424 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop