遠恋~君と恋をした日々~
分けの分かんない記号がいっぱいの黒板を、ため息つきながらノートに写していった


毎日こんな感じで過ごしてるあたし


自分の席から見える外の世界を見ながら授業を受ける


あたしが窓を見るようになったのは、小学6年生のころからかな


あの日、あたしは委員会の居残りで一人で教室に帰っていた


いつもにぎわってる教室が今日は静か


すごく落ち着く空間だった


あの日も確か、窓際の席だったはず


ふいに外の風景を見ると、下で桜庭たちがサッカーをしていた


サッカーしてる時の桜庭はひといちばいかっこいかった


いつかあの笑顔があたしに向けられる日が来るのかなって少し期待していた


あの作家―してる姿をあたしにだけに見せてくれる日が来るのかなって


いつも夢見てたんだ・・・そんなことあるわけないのに


羨ましかったのかもしれないね


ボーっとサッカーをしてる桜庭たちを見ていると、外に居る桜庭と目が合った












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