遠恋~君と恋をした日々~
「お―――い!藤原何してんだよ」


外からあたしに話しかけてきてくれたんだ


嬉しかったなぁあの時


「委員会が、長引いちゃって。今から帰るところなの」


そのあと、寂しさを抱いていたあたしの気持ちを桜庭はサラっと変えた


寂しさから温かさへと変わった


「じゃー、気い付けて帰れよ!お前女の子なんだからなっ!」


どんな男子に女の子扱いされるより、桜庭にされるほうが一倍嬉しかった


桜庭の髪の毛の中から流れる汗を、カバンの中に入っていたタオルでぬぐった


「これ貸してあげる!暑いでしょ?使って。じゃー、バイバイ明日またね」


タオルを預けて、すたすたと校門へ向かって歩く


今となってはいい思い出だ


そ―言えばあの時のタオル、まだ戻ってきてないな


確かあのタオル、あたしのお気に入りだったやつだよね


今持っててくれてるのかなぁ


逢いたいよ・・・桜庭











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