イケメン御曹司の秘密の誘惑

―――潤が、刺すように冷たい視線で間近から私をギラギラと見ている。

目を…逸らしたいのだけれど…、逸らせない。

彼の放つ視線が、たとえ氷よりも冷たくても。
その眼差しを受けていたい。

いつまでもこうして見つめていてほしい。
それがたとえどんな輝きであったとしても。


こんなに酷い事を言われているのに…、こんな時でも潤の顔に見惚れる。


美しく煌めく輝きの中に垣間見える…支配欲。
ひどい男。
私を縛りつけて苦しめる。

――……だけど………。

……やっぱり…好きだわ。
いつだって…私を…とろけさせる…。

彼の持つ、その全てが。


いつしかうっとりと潤を見つめている。

こんなに好きで…愛しい人を、
冴子さんの要望通り、傷付けたりなんて…出来るのかしら…。


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