イケメン御曹司の秘密の誘惑
初めから全て分かっていた。
彼女に俺の心を全て奪われる事も。
分かっていたから、避けてきた。
見えないはずの、出口のないかの様に思われた糸の縺れも、ほどき始めるとあっさりとその全容を現す。
――――俺は……
比奈子を、愛しているんだ。
どうしようもなく。
いつだってその細く柔らかな身体を抱き締めていたいんだ。
他の男になんか触れて欲しくない。
その瞳にはいつだって俺だけを映していてほしい。