イケメン御曹司の秘密の誘惑

―――……一体、どうしたと言うの…?

つい先ほどに私を蔑み、立ち去った彼が今、私の目の前にいる。

彼の温かい上着から漂う、その愛しい香りが私の鼻腔をくすぐる。


「……戻って……」

…冴子さんに見られたりしたら…。

「戻らないよ」

「…え」

………何…?
どうして………。

「……やっぱり俺は……必要ないか?」

……え?

……そんなの…。
聞かれるまでもない。

いつだってあなたが欲しい…。
その欲望と、叶わぬ切なさの狭間でいつも戦ってる。





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