イケメン御曹司の秘密の誘惑
「…黙って。いいから」
私の方を向いて一瞬ニコリと笑った後、彼はまたマイクに向かった。
場内がざわめき始めている。
…どうしよう。
止めさせないと。
研究データが……!
そんな私の不安をよそに潤は再び話し始めた。
『…誤解なさらないでいただきたいのは…、そうする事が冴子さんの為でもある、という事です。
愛する人を胸に秘めたままの結婚は、冴子さんを必ず不幸にします。
彼女には、俺なんかではなく、彼女をきちんと心から愛する男性と結婚していただきたいのです』