イケメン御曹司の秘密の誘惑
「…いえ。データは九条電子に全てお譲り致します」
「え?」
突然の潤の言葉に、私と九条社長は驚きながら彼を見た。
「きっかけはどうあれ、今は九条電子が所有しているものです。
無条件でお返しいただく理由がありません」
彼のキッパリした言い方には絶対のカリスマ性がある。
一社員の私などが意見出来るはずがない。
―――そう。その目……。
思えば私は、その輝きに引き込まれて彼を愛するようになった。
……いいわ。
あなたがそう言うのなら。
その、美しく輝く瞳を……
見せてくれたから。