イケメン御曹司の秘密の誘惑

目の前の冴子をそっと盗み見る。

あどけない表情の、綺麗な箱に大切に入れられてきた、お嬢様。

……本当に、この女と結婚するのか?


「……なのよね、いいでしょ、潤さん」

……はっ…。

ボンヤリしていて何も聞いていなかった。

「…あ、ごめん、何?」

慌てて聞き返す。

「あら、疲れているのね。
そろそろ送っていただこうかしら」


…あ、マズイ。機嫌を損ねたか?

「あ、ごめんね?
ちょっと考え事してて。
…楽しかったよ」

そう言ってニコリと微笑みかける。




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